大嶋信頼『「本当の友達がいなくてさびしい」と思ったとき読む本』友達の範疇にとどまらない、人間関係に悩むすべての人におすすめする良書

自分が大嶋書籍を手に取るとき。

「これは自分には関係ないかな~」「でもまあ、とりあえず、買っておこうor読んでみよう」という感じで、結局はポチるのだが、そういう本に限って、読み始めてみると、「自分に必要なことじゃん!」となって、一気に読めてしまうから面白い。

 

今回のテーマは「友達」。

 

現在の自分はといえば、「友達がほしい」という気持ちはあまりない。

「実はみんな孤独なんだろうな~」ということを、映画や書籍や、実生活を通して感覚的に身に付けたことも大きいが、もともと友達と群れるのは、「気疲れするだけ」と思ってきた人間なので、別に必要ないかな。と思っていた。

「友達探し」よりも、自分の心を落ち着ける術を身に付けることに、これまでは時間を割いてきた。

 

しかし、よくよく考えてみれば、自分は学生時代、社会人となったあとも、「友達」(というよりはもっと広義の「人間関係」)にず~っと悩まされてきた。

それはでも、「友達がいなくてさみしい」だとか、「賑やかに騒げる人たちが羨ましい」とかいった一般的な悩みではない。

もちろん、それがまったくなかったわけではないけど、世間ではそういう底の見えた、浅い繋がりがもてはやされ、目立っていることのほうに、違和感と虚しさを覚えていた。

当時はそんなに具体的なことを考えていたわけではなかったけど、自分に友達がいないことよりも、そうした空虚につながり合う人たちばかりが世の中を占めているような気がして、暗澹たる気持ちになった。

 

だが、FAP療法、大嶋メソッドを実践(というか読むだけ)することによって、自己肯定感が徐々に高まり、読書会に参加するようになって、人とのつながりができ始めたいまなら、はっきりと言える。

それは、いままでは周りに自分と同レベルの人間がいなかっただけなのだ、と。

と同時に、自分がこれまで「友達」というものを、あまりにも軽視していたことに思い至った。

強がりではなく、これまで本当に「友達」が欲しいと思ったり、そのことで焦ったりしたことはなかったのだけど、それは早い段階で「見切りをつけていたから」だったのかもしれないと、本書を読み終えたいまなら思う。

「どうせつながりあうことなどできない」

「だから自分に友達は必要ない」と。

 

でも、違った。

いま少しずつ「友達」が増えてきて、自分の考えをありのままに話しても引かれない、それどころか共感まで示してもらえる、そんな相手を見つけられたとき、私の身体と心は、明らかに「健康体」に近づいている。

 

もちろん、FAP療法の効果が一番大きいとは思うのだけど、「自分の考えを話せる場所・人」を見つけられたことも、おおいに関係があったのだな、と、本書の一節を読んではっと気付かされた。

「だれかに伝えて、わかってもらった」と感じることで、

ストレスが消えていくのです。

こうした仕組みを本能的に知っているので、

私たちは「友達がほしい!」と思うのです。

 

いままで本当にひとりぼっちだった。

自分の考えを人に話すなど、自殺行為だと思い、「現実で自分の考えを口にすることは、絶対にしない。」

なぜそんなふうに考えるようになったのかはわからないが、そんなルールを、自分でも知らぬ間に拵えていたようだ。

 

実をいうと、これまで二回ほど、溜まりにたまったストレスが爆発寸前になると、衝動的に携帯の連絡先を一掃する、ということをしてきた。その際、電話番号も変更して、過去のあらゆる繋がりを絶ってきた。

そんなことをしてスカッとするのはほんの一瞬で、あとにはとても嫌な、ドス黒い感覚だけが残った。

 

だから本当の意味で、友達がいなかった。

ネット上で見かける「わたしはぼっち」「ぼくはぼっち」などとつぶやいて、ファボられたり、リツイートされたりしている人を見かけると、

「お前なんかが、ぼっちを名乗るな」「ぼっちを名乗っていいのは、このおれだ」「でも、そんな浅ましいことはしないがな」と、心の中で、ひとり虚しく罵倒したものだ。

 

共感を求めて誰かに話すなど、もう何年もしてこなかった。

それでいいと思っていた。それが普通だと思っていた。

だけど、それは「意識」における領域の話で、身体と心は、「無意識」の部分では、つながりを求めていたのだろう。

震えという身体的症状に悩まされていたのも、本当は「言葉が外に出たがっていた」から。限界に達した心が叫びだしていたから、だったのかもしれない。

 

本書に出てくる「パーソナル数値を尋ねる」や、どこまでも客観視する、などの方法は、自分にとってなかなかハードルの高いことだけど、収穫のほうが明らかに多かった。

大嶋メソッドにおける、「嫉妬の理解」をより深めるためにも、役立つ良書となっている。

 

そしてなにより、KADOKAWAデビュー、果たしてしまったのですね。笑

「やる気」の本の幻冬舎新書、今回のKADOKAWAと、もう先生は一般的にもジワジワ受け入れられつつあるのだなあ、としみじみ感じている。

青山ライフ出版のころのあのよみづらかった文体が懐かしい。笑

 

今回はこれまでにないほど、整然とされており、あいだあいだにコラムまで差しはさまれていて、とても読みやすい。

全体的には、友達・人間関係に悩まされている人の具体的な質問をもとに、大嶋先生が答える、というふうな形式になっている。(具体例は、女性向けが多いかなと感じた)

 

たしかに、表紙からして、女性向けな感じはするけど、まったくそんなことはなくて。

ストレスで脳が帯電している男性陣にも、読んでほしいと思った。

受け入れるのには少し抵抗があるかもしれないけど。