自称顔がいいだけのミドリカワ書房おすすめ曲5選

歳を重ねるほど目に染みる名曲の数々。

暇を持て余していた高校生の頃、ベットでごろごろしながらyoutubeで見つけたのがミドリカワ書房だった。

ミドリカワ書房はソロで活動しているシンガーソングライターで、本名、緑川伸一、ファンの間ではミドシンの愛称で親しまれている。

基本的に彼の作る楽曲は、曲ごとにテーマを設け、それに沿ったストーリーが展開されていく。

曲のタイトル、歌詞、メロディーには、オマージュやパロディーが盛り込まれており、ウケを狙ったものから、社会風刺のようなものまで、

歌を聴いているのに、聴き終わるころには短い物語を読んだような気分になる。

歌だけで、ここまで起承転結アリの物語の世界を築き上げる才能は、シンガーソングライターのなかでも唯一無二ではなかろうか、と個人的には思っている。

それがどんなにネタをかましてくる曲であっても、そこにある現実にありそうなドラマを想像すると、じーんときてしまい、天を仰ぐこともしばしばなのだ。

そんなミドリカワ書房のなかでも、とくに個人的に気に入っている曲を5曲に絞って紹介したい。

※著作権の関係で音源のリンクは貼れないですが、気になった人はyoutubeにあるので聴いてみてください。

 

豆電球の灯りの中で

Theミドリカワ書房。

たしかにガキのころ、眠れない夜などに両親の寝室に行った。あのときの不服そうな父親の顔は、そういうことだったのか。

とーちゃんとかーちゃんの営みを覗いてしまったボクのうた。

 

馬鹿兄弟

借金を抱えヤクザに追われて忽然と姿を消した弟。

兄貴の視点で綴られる歌とメロディーに心を鷲掴みにされます。

情報は定かではないですが、実の弟に向けて書いたという噂も。

 

君は僕のものだった

僕は失恋ソングで泣いたことは数えるほどしかない。

単にそういう曲を知らないというのもあるが、完全に理性の消失した激しい自慰行為のような失恋ソングに心が動かされることなど、まず、ない。

そんな僕が不覚にも、この曲でぼろ泣きした。本来ならみんなが笑う、オチの部分で、ガツンときた。

 

リアリティがあるからこそ、その未練の正直さと滑稽さに、彼女と別れて間もなかった当時は、ただ嗚咽をあげることしかできなかったのでしょう。

 

恍惚の人

PVの映像もあいまって、涙なしには見られない。

認知症患者は、近親者から忘れていく、というのは聞いたことがあった。

肉体にも臓器にも異常は見られない、老いがもたらす残酷な現実。

ミドシンによると、この楽曲は有吉佐和子の小説「恍惚の人」から着想を得たそうだ。1972年に書かれた小説だが、介護の形態は多様化しつつあるものの、いま読んでもあまり古さを感じさせない。

 

母さん

息子から母親に宛てた手紙。

それ以上の予備知識はないほうがいいかもしれない。

考えさせられる名曲です。

 

おわり

こうしてみると、涙なしには語れねえ曲ばっかだな。(1曲目以外)

ライブに行ったことはないのだけど、

ただもう「売れる」路線からは完全に外れてしまったし、バンド形態で回るツアーなど、もうほとんどないだろう。

でも本当に思うのは、有名になるって、時期とか運とか、絶対あるよな。

もし現代にミドシンが彗星のごとく現れたなら、受け入れられ方はまるで違ったと思う。それぐらい楽曲じたいには力もインパクトもある。

 

彼も年齢を重ねたことで、昔ほどの過激な曲は書かなくなってしまったけど、だからこそ、彼の書く静かな楽曲たちが、妙に胸に染みるのだ。

緑川さん、お体を大切に、これからもがんばってください。

死ぬまで聴き続けますよ。