アニメ蟲師 日常系ファンタジーアニメの隠れた名作

自分が芸術作品を手に取るとき、無意識に重視しているのが

「その作品に教訓はあるか」という点だったりする。

これはライフハックに憑りつかれた人間の現代病なのか、

娯楽や癒しとして完結してしまう作品には、あまり手が伸びない。

娯楽に耽溺する大衆や、マニアに喧嘩を売りたいわけではない。

自分の目が「得るものがなさそう」と判断したものには、見向きもしない。

一分一秒が惜しいのだ。

やはりこれは現代病かもしれない。

 

「古き良き日本に憧れる」という点においても…

 

 

蟲という架空の生き物と人間の織り成すファンタジーアニメ

最初に断っておくが、蟲師はバトルものではない

これは自分の勝手な思い違いかもしれないが、蟲師を視聴するまでは、バトルものだと思っていた。

それはたぶん、「陰陽師」のせいだろう。

いやはや、イメージとはおそろしいものだ。

 

原作は漫画なのだが、その原作のイメージを損なうことなく、

ひとつのアニメ作品として見事に昇華されている。

 

一人旅を続ける蟲師ギンコが旅先で出逢う、蟲と人との悲喜こもごもの物語だ。

 

蟲とは

では、蟲師に出てくる「蟲」とはなにか。

およそ遠しとされしものーー下等で奇怪、

見慣れた動植物とはまるで違うと思しきモノ達。

それら異形の一群を、人は古くから畏れを含み、

いつしか総じて、"蟲"と呼んだ。

出典元:作品紹介 | TVアニメ『蟲師 続章』公式サイト

 

イメージとしては微生物に近いかもしれない。

 

ただ、微生物と異なるのは、

大小さまざまな蟲がいるということと、

その姿かたちが体質によっては見える者がいるということだ。

 

基本的に害はない生き物、「蟲」なのだが、

ときには、人間の想像が及ばない厄災をもたらしてしまう。

 

たとえるなら 雰囲気の暗い静かなジブリアニメ

ジブリ映画が好きなら間違いないと思う。

ただ、ジブリよりもダークな要素が多い。

とくにナウシカやもののけ姫、ラピュタあたりの雰囲気に近い。

 

まだ緑が多かった頃の日本を思わせる、郷愁的な原風景

物語の舞台は「鎖国を続けた日本」あるいは「江戸期と明治期の間にある架空の時代」だと原作者・漆原友紀は語っている。

 

一話完結ストーリー

基本は一話完結になっている。

ストーリーによっては、救われる話も、救われない話もある。

 

蟲師の物語はどれも「生き方」につながっているように思う。

このアニメの雰囲気は、ちょっと他では真似できないくらい神懸っている。

 

恋愛要素あり

こんなふうに話していると、なにやらお堅いイメージが湧くかもしれないが、

蟲師のいいところは、隠れた恋愛要素がある点だと密かに思っている。

 

もちろんコテコテの恋愛ではないが、

ストーリーによっては恋心が淡く散りばめられている。このリアリティがいい。

 

なかでも、第23話「錆の鳴く聲(さびのなくこえ)」には号泣してしまった。

見るたびに涙ぐんでいる気がする。

 

この話だけでもぜひ見てほしい。

30分で一本の映画を見た後のような感覚になれるから。

 

名言が多い

感覚を分かちあうのは難しい

相手の触れたことない手ざわりを 相手にそのまま伝えることはできないように

見たことのない者と その世界を分かちあうのは 難しいさ

蟲師 第一話 緑の座

 

蟲師は、ファンタジーではあるが、

本当に現実の世界を生きている人のように、そこには心があり、生活があることを窺わせる。

 

一度切りしか登場しないキャラクターにさえ、命が吹き込まれ、

そこには生身の人間と違わない、己の信念や抗えない欲望を垣間見ることができる。

そしてまた、主人公のギンコや、それぞれの登場人物が訥々と語る台詞に、

「はっ」とさせられるのだ。

 

お前に罪などないさ 蟲にも罪などない

互いにただその生を遂行していただけだ

誰にも罪などないんだ

蟲師 第四話 枕小路

まとめ

この作品の根底に流れている空気が好きだ。

一時期、蟲師を再生しながら、子守歌代わりにして寝ていたほど。(やまねむるでギンコと一緒に寝て(ry)

 

アニメ蟲師はその人気ぶりから、シリーズの二作目にあたる続章も制作された。

どちらのop主題歌も、蟲師の雰囲気にマッチしていて、これがまたすごくいい。

音楽が気になった人は、そのままの勢いで蟲師レンタルどうぞ。