太宰治『正義と微笑』太宰の根暗なイメージを払拭する学生日記風小説

太宰治はユーモアな人だった?

太宰治と聞くと、どんな作品が思い浮かぶでしょうか。走れメロス?斜陽?それとも人間失格?

世間では人間失格のイメージが強すぎて、「暗い人」「陰気な作品が多そう」「根暗で友達いなさそう」等々。マイナスなイメージを抱かれがちです。

しかし、太宰好きの間では知られていますが、彼にはとてもユーモアな面があり、そのセンスは作品のなかでも遺憾なく発揮されています。

 

青年の苦悩と成長を描いたブログ小説

『正義と微笑』 という作品は、太宰の弟子である堤重久の弟・堤康久の日記を参考に書かれました。

 

周りより少しだけ大人びた考え方をする主人公の青年(15~16歳)が、学校のこと、友人のこと、家族のこと、将来のこと、世の中のこと、そして自分自身のことについて思い悩み、その葛藤や苦悩が日記形式で綴られています。

これはまさに現代でいうところのブログで、学生ブロガーがその日常をユーモラスに綴っている感さえあります。

昭和10年ごろの学生が当時実際に書いていた日記を、現代の人間が違和感なく読めてしまうというのも面白いですよね。

学生時代にぼっちを経験する人は、「平成に限った話じゃなかったんだ」って救われます。笑

 

太宰治にしては珍しく、サクセスストーリーとなっているので、やる気を出したい、モチベーションを維持したいという、勉学に励む学生さんにもおすすめです。

 

 

ユーモアのセンスと根暗は紙一重

僕の好きなユーモアのある人って、根は暗かったり、本来はマイナス思考だったりする傾向にあります。

そういう人って、繊細なんですよね。悪く言えば神経質というか。着眼点が細かい。普通だったらみんなが見て見ぬふりしてしまうような事柄について深く考えたり、それがときとして自分自身にも向いてしまうというか。

まあだからこそ、晩年になって人間失格のような作品が生まれたんでしょうね。

 

暗いイメージをもたれがちな太宰治ですが、世間で知られている一面とはまた違った明るめな作品も存在するのです。