全五巻、森博嗣の剣豪小説『ヴォイドシェイパシリーズ』の感想 ゼンノスケ様に惚れてまうやろ!

巷でよく、「人生で読むべき本」なるものが質問されたり、またこれを読めというのを見かけますが、読んでみたところで、さほど感動がなかったり、内容が難しすぎて着いていけず、途中で挫折、ということがあったため、最近では「人生で読むべき本」という他人のおすすめを見ても、読んでみようという気にはあまりなれません。

それはなぜか考えてみたところ、そうした「人生で読むべき本」というものをおすすめしている以上、薦めている人は、よほどの読書家であり、難解な文章や文体にも耐性があるため、そもそもの選考基準が高いのではないかと思うのです。

また、読書というのは不思議なもので、一見するとまったく相関のないはずの分野の書物と書物が、その言説を補い合っていたりすることが、往々にしてあります。

つまり、読書が習慣になっている人は、違った角度からモノを見れたり、帰納的に考えるクセがついていたりして、「理解が深まる」「抽象度の高いものでも理解しやすい」という現象が起きます。(自分の憶測ですが)

なのでどうしても、おすすめする本人も気づかぬうちに、そうした高い水準で選考しているため、一般受けという意味では、”微妙”なのかもしれません。

本題

前口上は忘れてください。ただ思ったこと書いただけなので、『ヴォイドシェイパ』とは無関係です。←

はい。で、森博嗣の小説『ヴォイドシェイパシリーズ』。これ、人生で一度は読んでおきたいです。「読まなきゃ損」みたいな薦め方するの、自分あんまり好きじゃないんですけど、この本に関しては、そういう薦め方してもいいかなあ、と思ったりします。

いまんとこ、そういったおすすめの仕方をできる小説は、まだこの本以外に出会ってないです。若僧ですけど。

この気持ちはなんだろう

よくあるじゃないですか。ヒーロー映画を見た後って、自分が正義のヒーローになったような気がして、映画館を出たあとの世界がいつもと違って見えたり、胸を張って歩いていたり、落ち着きを感じたり。

この『ヴォイドシェイパシリーズ』を読んでいるあいだは、まさにその感覚が自分に宿っていました。つまり一カ月半、くらいかな。とても穏やかな気持ちで過ごせました。

というのも、主人公のゼンノスケ(以下:ゼン)が、とんでもなくかっこいいのです。

無意識に触れてくる感覚

はい、でました。お得意の無意識です。

いや、でもほんとにね、主人公ゼンの禅問答がいちいち痺れるんですよ。

この物語はシリーズを通して、ゼンの一人称で語られていきます。

些細なことも実地に観察するその目線や、剣術を駆使するときの息づかいまで聞こえてきそうなほど、読んでいるあいだ、自身まで瞑想を行っているような感覚になるのです。

僕自身、小説を読みながら、言葉をイメージとして「情景描写する」のが不得手なほうなんですけど、そんな僕でさえ、はっきりと情景が浮かんでくるのです。

なので、ある意味マンガ読んでる感覚で読み進めてました。自分でも不思議なんですが、読後も思い出すのは、言葉よりもシーン(映像)として記憶に残ってます。

読む順番

自分これ失敗しちゃったんですよね、、

文庫本には巻数ふられてないし、シリーズものとも明記されてない。しかもうれしいことに(?)途中から読んでもなんの違和感もなく物語に引き込まれ、読めてしまえたから。

  1. ヴォイド・シェイパ
  2. ブラッド・スクーパ
  3. スカル・ブレーカ
  4. フォグ・ハイダ
  5. マインド・クァンチャ

僕は4巻にあたる『フォグ・ハイダ』から読んでしまったのですが、普通に読了しました。んで、終わり方が続編ありそうだなと調べてみると、シリーズものだったという…。

そこから一巻に戻って、(もう一度4巻も読み直し)最後まで読みました。もちろんそれでも楽しく読めましたが、どうせなら一巻から読んだほうがいいと思います。笑